看護師業界は常に人手不足と言われ、時期を問わず求人の数は多い。しかし、求職者である看護師の状況や立場によっては、転職が困難になるケースが存在する。転職が難しいとされる2つのパターンを通じて、看護師特融の転職事情について考えてみよう。
その1つは、ブランクの長い、いわゆる「潜在看護師」と呼ばれる人の場合である。長年実務から離れているため、求職者自身の不安が大きく、再就職に二の足を踏んでしまうことが多い。また、出産で離職した人にとっては、育児と仕事の両立に不安を感じることもあるだろう。潜在看護師向けの復職支援セミナーや研修等を活用し、まず自分自身の不安を少しでも解消することが重要だ。復職支援制度のある病院や、教育制度の充実した病院もあるので、そういった施設を転職先に選んでも良いだろう。更に常勤のみでなく、パートなどの非常勤や日勤のみなど、働き方にもいろいろな選択肢がある。自分の現状やライフスタイルとマッチした雇用形態を選ぶことで、転職後の負担を減らすことができる。
もう1つは、特色が大きく異なる診療科への転職である。キャリアアップを求めて他診療科への転職を望む人も多いが、なかなか簡単にはいかないのが実情だ。現場にしっかりと対応できるのか、求人者側が不安に感じる部分が多いため、勉強熱心さ・プロ意識の高さをもって転職に臨むことが大切である。新しい知識・技術を自ら学び身に着けていくという意欲、その診療科で働きたいという強い意思が尊重される。
いずれの場合も、事前のリサーチが転職成功の鍵となる。求人の多い看護師業界ならば、きっと自分にピッタリの転職先を見つけることができるだろう。